○赤穂市議会政治倫理条例

平成21年3月16日

条例第22号

(目的)

第1条 この条例は、赤穂市議会議員(以下「議員」という。)が市民の厳粛な信託を受けたものであることを認識し、その受託者たる議員は、市民全体の奉仕者として人格と倫理の向上に努め、いやしくもその権限又は地位による影響力を不正に行使して自己又は特定の者の利益を図ることのないよう必要な措置を定めることにより、市政に対する市民の信頼に応えるとともに、市民が市政に対する正しい認識と自覚を持ち、もつて公正で開かれた清潔で民主的な市政の発展に寄与することを目的とする。

(議員及び市民の責務)

第2条 議員は、市民の信頼に値する倫理性を自覚し、市民に対し自らすすんでその高潔性を明らかにするよう努めなければならない。

2 市民は、主権者として自らも市政を担い、公共の利益の実現に向けて責任を有することを自覚し、議員に対しその権限又は地位による影響力を不正に行使させるような働きかけを行つてはならない。

(宣誓書の提出)

第3条 議員は、この条例を遵守する旨の宣誓を行うものとし、議員の任期開始の日から30日以内に、別に定める宣誓書を赤穂市議会議長(以下「議長」という。)に提出しなければならない。

2 議長は、前項の宣誓書を提出しない議員があるときは、その氏名を広報紙等に掲載し、公表するものとする。

3 議長は、第1項の規定により提出された宣誓書を議員の任期中保管しなければならない。

(政治倫理基準)

第4条 議員は、次に掲げる政治倫理基準を遵守しなければならない。

(1) 市民全体の奉仕者として品位と名誉を損なうような一切の行為を慎み、その職務に関して不正の疑惑を持たれるおそれのある行為をしないこと。

(2) 市民全体の奉仕者として常に人格と倫理の向上に努め、その地位を利用していかなる金品も授受しないこと。

(3) (市が設立した公社及び市が資本金等その他これらに準ずるものを出資し、又は拠出している公益法人、株式会社並びに地方自治法(昭和22年法律第67号)(以下「法」という。)第244条の2第3項に規定する指定管理者(以下「指定管理者」という。)を含む。第12条において同じ。)が行う許可及び認可並びに工事等の請負契約、業務委託契約、動産・不動産の取引及び物品納入契約又はこれらの契約の下請負若しくは再委託に関する契約(以下「請負契約等」という。)に関して特定の個人、業者、企業、団体等のために推薦又は紹介するなど有利な取り計らいをしないこと。

(4) 市が補助や助成している団体又は市の行政に直接関連する団体等の役員に就任しないこと。

(5) 市職員(地方公務員法(昭和25年法律第261号)第3条第2項に規定する一般職に属する職員、臨時職員及び嘱託職員をいう。次号において同じ。)の公正な職務の遂行を妨げ、その職権又は地位による影響力を不正に行使するよう働きかけないこと。

(6) 市職員の採用、昇格、昇任又は人事異動に関し、推薦又は紹介をしないこと。

(7) 政治活動に関して特定の個人、業者、企業、団体等から政治的又は道義的批判を受けるおそれのある寄付等を受けないものとし、後援団体についても同様とする。

2 議員は、政治倫理基準に違反する疑いがあるとの疑惑を持たれたときは、自ら誠実に疑惑の解明に当たるとともに、その責任を明らかにするよう努めなければならない。

(平27条例29・一部改正)

(市民の審査請求)

第5条 法第18条に定める選挙権を有する市民は、次の各号に掲げる事由があるとき、これを証する資料を添えて、選挙人名簿に登録されている市民の40分の1以上の連署をもつて、審査を請求する代表者から(以下「審査請求代表者」という。)議長に対して請求することができる。

(1) 議員が第4条第1項に規定する政治倫理基準に違反する疑いがあるとき。

(2) 議員が第11条第1項に規定する請負契約等の辞退又は第12条に規定する指定管理者の指定の辞退に関する遵守事項に違反する疑いがあるとき。

2 前項の規定による請求は、議員の任期中における違反が疑われる行為に対して行うことができる。

(政治倫理審査会の設置)

第6条 議長は前条により審査請求を受理したときは、必要な審査、報告その他の処理を行うため、赤穂市議会(以下「議会」という。)に法第109条第1項に規定する特別委員会として赤穂市政治倫理審査会(以下「審査会」という。)を設置し、審査を求めなければならない。

(平25条例4・一部改正)

(審査会の職務)

第7条 審査会は、次に掲げる職務を行う。

(1) 審査会は、政治倫理基準、請負契約等の辞退又は指定管理者の指定の辞退に関する遵守事項に違反する疑いのある行為の存否について審査する。

(2) 審査会は、審査の対象となつた議員(以下「審査対象議員」という。)又は審査会が必要があると認めたもの(以下「関係人等」という。)に対し、審査対象議員の任期中における資料等の提出を求め、意見聴取等の調査を行うことができる。

(3) 審査会は、審査対象議員に意見を述べる機会を与えなければならない。

(4) 審査会は、審査会が設置された日から60日以内に審査結果について報告書を作成し、議長に提出しなければならない。

(5) その他この条例による政治倫理の確立を図るため、議長の諮問を受けた事項について調査、答申、勧告をし、又は意見を述べることができる。

(資産等報告書の提出)

第8条 審査対象議員は、審査会が審査の必要があると認めた場合、任期中における審査に必要な年の1月1日現在の資産等報告書を速やかに、議長に提出しなければならない。

2 審査対象議員は、前項の資産等報告書と併せ、審査会が審査の必要があると認めた場合は、審査対象議員の任期中における審査に必要な年の1月1日現在の配偶者又は2親等以内の親族の資産等報告書を速やかに、議長に提出しなければならない。

3 資産等報告書には、審査会が必要があると認めた場合、証明書類を添付しなければならない。

4 資産等報告書の記載事項及び証明書類の添付については、別に定める。

(審査会への協力義務)

第9条 審査対象議員又は関係人等は、審査会が必要があると認めるときは審査に必要な資料を提出し、又は会議に出席して意見を述べるものとする。

2 議会及び議員は、審査会の審査結果を尊重するものとする。

(審査結果の措置等)

第10条 議長は、審査結果の報告書が提出されたときは、審査請求代表者及び審査対象議員に対し、その写しを速やかに送付するとともに市民の閲覧に供し、その要旨を広報紙等に掲載し公表するものとする。

2 審査対象議員は、審査結果の報告について、議長に対し弁明書を提出することができる。

3 前項の規定により弁明書が提出されたときは、議長は当該弁明書の全文又はその要旨を広報紙等に掲載し公表するものとする。

4 議長は、審査結果の報告を尊重し、政治倫理基準、請負契約等の辞退又は指定管理者の指定の辞退に関する遵守事項に違反したと認められる審査対象議員に対して、市民全体の奉仕者としての品位と名誉を守り、市政に対する市民の信頼を回復するため、必要な措置を講ずるものとする。

(請負契約等の辞退)

第11条 議員が役員をし、若しくは実質的に経営に携わつている企業、又は議員の配偶者若しくは2親等以内の親族が経営する企業は、法第92条の2の規定の趣旨を尊重し、市が行う請負契約等を辞退し、市民に疑惑の念を生じさせないよう努めなければならない。ただし、災害等で緊急を要するとき、又は請負契約等の締結を辞退することにより、市の行政執行に著しい支障がある場合はこの限りでない。

2 前項に規定する「実質的に経営に携わつている企業」とは、次の各号のいずれかに該当する企業をいう。

(1) 議員が資本金その他これに準ずるものの3分の1以上を出資している企業

(2) 議員が年額300万円以上の報酬(顧問料等その名目を問わない。)を収受している企業

(3) 議員がその経営方針又は主要な取引に関与している企業

(指定管理者の指定の辞退)

第12条 前条第1項に規定する企業又は議員並びにその配偶者若しくは2親等以内の親族が役員をしている団体は、指定管理者となることを辞退し、市民に疑惑の念を生じさせないよう努めなければならない。

(職務関連犯罪による有罪判決後の説明会)

第13条 刑法(明治40年法律第45号)第197条から第197条の4までの各条及び第198条に定める罪並びに公職にある者等のあつせん行為による利得等の処罰に関する法律(平成12年法律第130号)に定める罪その他職務に関連する犯罪(以下「職務関連犯罪」という。)により有罪の宣告を受け、なお引き続きその職にとどまろうとする議員は、市民に対する説明会の開催を議長に求め、説明会に出席し釈明することができる。

2 市民は、当該議員が前項の規定により説明会の開催を求めないときは、法第18条に定める選挙権を有する選挙人名簿に登録されている市民の40分の1以上の連署をもつて、説明会の開催を請求する代表者から議長に対して請求することができる。この場合、当該議員は、説明会に出席し釈明しなければならない。ただし、開催請求の期間は、判決の日から30日を経過した日以降20日以内とする。

3 市民は、説明会において当該議員の説明に関し、質問することができる。

(職務関連犯罪による有罪確定後の措置)

第14条 議長は、次の各号に該当するときは、公職選挙法(昭和25年法律第100号)第11条第1項の規定により失職する場合を除き、市民全体の代表者としての品位と名誉を守り、市政に対する市民の信頼を回復するため、必要な措置を講ずるものとする。

(1) 刑法第197条から第197条の4までの各条及び第198条に定める罪並びに公職にある者等のあつせん行為による利得等の処罰に関する法律に定める罪により有罪の宣告を受け、その刑が確定したとき

(2) 上記のほか、職務関連犯罪により有罪の宣告を受け、その刑が確定したとき

2 この場合には、議長は審査会の意見を聴くことができる。

(委任)

第15条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

この条例は、平成21年4月9日から施行し、平成21年10月1日から適用する。ただし、第3条の規定は平成21年4月9日から適用する。

(平成25年2月22日条例第4号)

この条例は、地方自治法の一部を改正する法律(平成24年法律第72号)附則第1条ただし書の政令で定める日(平成25年3月1日)から施行する。

(平成27年3月31日条例第29号)

この条例は、平成27年4月1日から施行する。

赤穂市議会政治倫理条例

平成21年3月16日 条例第22号

(平成27年4月1日施行)