ホーム > 市政情報 > 市長のページ > 令和3年度赤穂市施政方針

ここから本文です。

更新日:2021年2月16日

令和3年度赤穂市施政方針

令和3年第1回赤穂市議会定例会の開会にあたり、新年度予算案をはじめ、諸議案のご審議をお願いするに際しまして、私が市政運営を担っていくうえでの所信の一端を申し述べ、議員各位をはじめ、市民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

私が市長に就任してから2年余りが経過しました。4年の市長任期の折り返し点を過ぎ、この間、議員各位をはじめ、市民の皆様のご指導、ご理解をいただきながら、市民一人ひとりの力こそがまちづくりの一番の原動力であるという強い信念のもと、市政の更なる発展に全身全霊で取り組んでまいりました。
しかしながら、現在の市政を取り巻く状況は、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化し、感染拡大防止対策と社会経済活動とを両立させるといった取組をはじめ、コロナ禍で浮き彫りとなりました新たな行政課題への対応、また気候変動の影響により激甚化・頻発化する風水害、大地震に対する備えなど重要課題が山積しております。
このため、私をはじめ全職員が一丸となり、一層の危機感と緊張感を持ち、創意工夫を重ねながら、この難局に立ち向かってまいりたいと考えております。
次に、市政推進に向けての財政計画についてご説明申し上げます。
先般、国においては、新型コロナウイルス感染拡大防止と社会経済活動の両立を図り、ポストコロナの新しい社会の実現を目指し、中長期的な成長力強化の取組を推進していくことができるよう総額約106兆6千億円の令和3年度一般会計予算が編成されたところであります。
本市における財政状況は、歳出において、特別会計への繰出金や扶助費などの社会保障関係費及び公債費が引き続き高い水準で推移し、歳入においては、市税が減収となる一方で、コロナ禍における地方財政の運営に支障が生じることのないよう臨時財政対策債の補填措置が講じられること等により一般財源収入全体では増収が見込まれるものの、依然として基金を取り崩さざるを得ない厳しい財政環境にあります。
このため、第8次赤穂市行政改革大綱に基づき、効率的で効果的な事業の展開により行財政体質の強化・充実と財源不足額の圧縮を図りながら、ウイズコロナ、そしてポストコロナの新時代における行政需要の変化に的確に対応してまいります。
次に、2030赤穂市総合計画に掲げました将来像「自然と歴史に育まれ顔と希望あふれる活力のあるまち」を実現するための4つの柱に沿いまして、主要な施策を中心に、その概要をご説明申し上げます。

主要施策の概要

安心「誰もが健やかに暮らせる安心と安全のまちづくり」

その1誰もが安心して暮らせる地域社会の構築

市民の皆様が住み慣れた地域で支え合いながら誰もが地域社会の一員として、いきいきと安心して暮らすことができるよう、赤穂市地域福祉計画に基づき、社会福祉協議会をはじめ社会福祉法人や関係機関等との連携を深め、すべての人にやさしい福祉のまちづくりを推進してまいります。
また、ひきこもり支援としての居場所機能を強化するため、ひきこもりの状態にある本人はもちろんのこと、新たに家族等を支援するための居場所の活用や、居場所の地域住民等への開放を通じて市民の皆様へのひきこもりに対する啓発などに取り組むほか、様々な課題により就労が困難と思われる生活困窮者への自立支援を行うなど、それぞれの方が抱える課題に応じた相談・支援体制の更なる充実を図ってまいります。
子ども・子育て家庭の支援については、児童虐待をはじめ子どもを取り巻く様々な課題に対応するため、子ども家庭総合支援拠点整備事業として相談室の設置や、子ども家庭支援員の配置を行い、これまで以上に子どもや子育て家庭に寄り添った相談・支援業務を実施します。また、あこう子育てアンバサダーを中心とした子育て世代による子育て支援情報の発信・PRや、子育て世代が広く交流することができる場を設けるなど、地域全体で子育てを支援する気運の醸成を図ってまいります。
また、子育て世帯の経済的負担を軽減するため、引き続き第3子以降を対象に幼稚園児及び小・中学校生の学校給食費の無償化を実施するほか、保育所の待機児童については、積極的な保育士の確保により、3歳児保育の充実に努める等その解消を図ってまいります。
障がい者福祉については、障がいの有無に関わらず尊重しあえる共生社会の実現のため、障がいに対する理解を深め、障がいのある人が住み慣れた地域で暮らすことができるよう、引き続き地域生活支援事業として相談支援事業、意思疎通支援事業や手話奉仕員養成研修事業などを実施してまいります。
高齢者福祉については、高齢者が生きがいをもって健やかに暮らせるよう、引き続き、いきいき百歳体操などの介護予防事業を実施するほか、保健事業と介護予防を一体的に取り組み、高齢者の心身の多様な健康課題に対応したきめ細かな支援を行うことで、更なるフレイル予防に努めるとともに、地域包括ケアシステムの推進を図り、地域全体で高齢者の生活を支え合うまちづくりを進めてまいります。
国民健康保険制度については、高齢化の進展や医療技術の高度化等の影響により医療費の更なる増加が見込まれる一方で、新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、安定的な運営が困難な状況が続くと想定されることから、保険税率等は財政調整基金の活用により現行のまま据え置くこととします。引き続き生活習慣病の予防対策や後発医薬品の使用促進等に取り組み、被保険者の健康増進と医療費の適正化に努めてまいります。
介護保険制度については、高齢者人口の増加により要支援・要介護認定者数及び介護サービス量も増加することが見込まれることから、令和3年度から令和5年度までの第8期介護保険事業計画期間における65歳以上の保険料標準月額については、5,400円としております。引き続き介護予防、地域包括ケアシステムの推進に取り組んでまいります。
後期高齢者医療制度については、兵庫県後期高齢者医療広域連合との連携を図るとともに、市民の皆様の窓口として、保険料の徴収、各種申請の受付等の役割を果たしてまいります。

その2健康づくりの推進といのちを守る地域医療の充実

健康づくりについては、誰もが住み慣れた地域で、健康でいきいきと暮らしていけるまちづくりを目指し、ライフステージに応じた健康づくり活動を推進してまいります。育児健康支援事業については、心身のケアや育児のサポートを行う産後ケア事業の対象者を、これまでの出産後6月未満から1年未満の産婦及び乳児に拡充するとともに、従来の訪問型に加え、通所型でも実施します。また、健康診査費等助成事業については、妊婦健康診査助成において多胎妊娠の場合の助成対象健診回数を拡充するほか、がん患者の医療用補整具購入費用に対する助成を新たに設けることとします。
新型コロナウイルスワクチンの接種については、接種対策室を設置し、国、県との連携のもと、市内医療機関及び医師会の協力を得て、市民への迅速な接種に向け準備を進めてまいります。
病院事業については、依然として厳しい経営状況ではありますが、常勤医師の確保等による診療体制の充実を図るとともに、地域医療支援病院として地域の医療機関との連携強化にも努めてまいります。
市民の皆様が、将来にわたって安心して適切な医療が受けられるよう、コロナ禍の中、厳しい経営環境ではありますが、今後とも病院事業の経営改善等に取り組んでまいります。

その3安全な暮らしを実現する強靭な都市基盤の整備

災害に強いまちづくりについては、近年、自然災害が激甚化・頻発化する中、更なる防災・減災対策が求められており、県と連携して防災対策に取り組むとともに、災害時の行動力の向上を目指して、引き続き地域の皆様を中心とした自主防災組織による防災総合訓練などを実施してまいります。また、避難所表示看板を更新するとともに、本年3月に更新するハザードマップの周知やマイ避難カードの作成を啓発し、迅速な避難行動がとれる体制づくりに努めるなど、地域における防災意識の向上に努めてまいります。
消防・救急体制については、はしご付消防自動車の更新や消防・救急業務の要である通信指令設備を安定運用するための機器等の更新など充実強化を図ります。また、播磨圏域連携中枢都市圏での連携事業として、登録された医療機関の救急受入れ情報を共有化する救急搬送支援システムを中播磨・西播磨地域の3消防本部において整備し、円滑な救急搬送を行ってまいります。非常備消防体制としては、第8分団消防ポンプ自動車の更新のほか、消防団協力員の装備品を整備し災害時の初期対応力の向上を図ります。
次に、安全な暮らしの実現については、赤穂市通学路交通安全プログラム等で実施した点検結果を踏まえ、危険個所や通学路を中心に防護柵やカーブミラーなどの交通安全施設を整備するほか、引き続きスクールガードリーダーを配置し、登下校時の子どもたちの安全確保を図ります。また、消費生活相談や消費者被害の防止に向けた啓発活動を充実させるとともに、特殊詐欺等からの被害抑止に取り組んでまいります。

快適「自然環境と都市環境とが調和した住みやすいまちづくり」

その1快適で魅力ある都市空間の形成

土地利用の推進については、今後の土地利用の基本的指針となる第5次国土利用計画を策定するとともに、人口構造など社会情勢等を踏まえ中長期的視点に立った都市の将来像を示すため、都市計画マスタープランの改定を進めてまいります。
道路網と公共交通体系の構築については、国道2号や国道250号など広域幹線道路の整備促進及び事業化を関係自治体との連携を図りながら、引き続き国、県に要望してまいります。なお、国道250号高取峠のトンネル化は、市民の悲願でもありますので、相生・赤穂広域幹線道路整備促進協議会や議会の意見等も伺いながら、トンネル化とあわせ人命に関わる交通事故防止対策についても要望してまいります。
また、赤穂大橋線に係る用地買収や物件移転補償事業などに取り組み、都市計画道路の整備を進めるとともに、塩屋野中線の歩道改良事業などのほか、舗装修繕工事を適宜実施します。
市内循環バス「ゆらのすけ」及びデマンドタクシー「うね・のり愛号」の運行については、地域の皆様の意見等を踏まえ、新たな停留所や乗降場所を設けるとともに、東備西播定住自立圏形成推進協議会圏域バス「ていじゅうろう」や路線バス及びタクシー事業者と連携しながら、引き続き公共交通としての利便性向上に努めてまいります。
水とみどり豊かなまちづくりの推進については、公園施設の安全・安心対策事業を実施し、子どもや高齢者等、誰もが安全で安心して利用できるよう都市公園を整備してまいります。

その2自然環境の保全と住環境の充実

自然・生活環境の保全については、市民の生命の源である「清流」千種川を将来にわたり守っていくため、水道水源保護条例に基づき水源保護地域を指定し水源の保護を図るとともに、豊かな自然環境を保全するため、引き続き大気や水質等に関する環境調査を実施してまいります。また、ごみ等の不法投棄については、監視用カメラの設置等の対応をしてまいります。なお、市内の産業廃棄物最終処分場建設計画については、反対の立場でその動向の把握に努め、議会をはじめ、関係自治体、産業廃棄物最終処分場建設反対赤穂市民の会等と連携し、適切に対応してまいります。
水道事業については、老朽化した管路の改良や配水施設の更新を計画的に進め、引き続き安全でおいしい水の安定供給に努めてまいります。
下水道事業については、人口減少等に伴う使用料収入の減少により、財政的に依然として厳しい状況にあることから、経営の効率化、合理化に努めるとともに、引き続き野中・砂子地区等の土地区画整理地内における管渠整備のほか、尾崎中継ポンプ場の主ポンプ設備の整備、下水管理センターの管理棟耐震補強工事等を実施してまいります。
ごみ処理施設については、施設の適切な整備・運営により長寿命化を図るとともに、新施設の整備について、単独整備、広域整備、民間連携等、様々な角度から検討を進めてまいります。
住環境については、空家対策として、赤穂市空家等対策計画に基づき、危険空家の除却や空家活用に対する費用助成を継続実施するとともに、空家となった古民家を再生する場合の費用助成制度を一部拡充し、まちなみ景観の維持・保全と地域の活性化を図ってまいります。
土地区画整理事業については、有年地区、野中・砂子地区及び浜市地区において、保留地の販売や区画道路築造工事などに取り組むとともに、野中・砂子地区に隣接する宅地の有効活用を図るための隣接道路を整備してまいります。

元気「産業と地域資源を活かした魅力あふれるまちづくり」

その1活力とにぎわいのある地域産業の振興

農業・漁業の振興については、新規就農者や認定農業者等の担い手確保に引き続き取り組むほか、赤穂市漁業協同組合、JA兵庫西等、関係機関と連携しながら、牡蠣、ミカン等の地場産品についてブランド化の推進に取り組むとともに、引き続き農業用施設の防災減災対策などを実施してまいります。
地域産業の振興と就労環境の充実については、工場立地促進条例に基づく奨励金の条件を緩和し、立地企業への設備投資を促進するとともに、企業誘致につなげてまいります。また、赤穂ふるさとづくり寄付金については、地場産品を活用した返礼品を充実させるとともに、赤穂市の魅力発信により更なる寄付金の増収を図ってまいります。
観光振興については、市の玄関口にふさわしい機能的で清潔感あふれるものとなるよう赤穂駅南トイレのリニューアル工事を実施します。また、コロナ禍の中ではありますが、多彩な観光資源を有効に活用するためにSNSをはじめ各種媒体を用いた観光情報の発信に努めるとともに、観光地域づくりの舵取り役となる地域DMOを設立し、兵庫県や広域連携DMO等とも連携しながら官民一体となった観光戦略を展開してまいります。
また、忠臣蔵や国史跡赤穂城跡に加え、二つの日本遺産といった観光資源を活用し地域活性化につなげるよう引き続き取り組んでまいります。

その2さまざまな人・地域との活気ある交流の促進

地域間交流については、姉妹都市である笠間市及び山鹿市をはじめ西尾市などとのスポーツ・文化活動を通じた交流を行うほか、全国の忠臣蔵ゆかりの自治体との交流を推進してまいります。
ロッキングハム市との交流については、アフターコロナを見据え、今後、より一層関係が深まるよう国際交流協会と連携して取り組んでまいります。
人口減少や災害など広域的な取組が必要な行政課題への対応については、東備西播定住自立圏形成推進協議会や播磨圏域連携中枢都市圏をはじめ、兵庫県市長会、西播磨市町長会、兵庫・岡山両県境隣接市町村地域振興協議会などを通じて、近隣自治体と連携し、取り組んでまいります。
移住・定住の促進については、県の移住サポートセンターと連携し、首都圏において情報発信するほか、空き家情報バンク登録物件の活用を図るため利用者が負担する登記手数料や仲介手数料、引っ越し費用などに対する補助を行うとともに、オーダーメイド型の移住体験ツアーを企画し、参加者の希望に沿ったきめ細かな対応を図り、移住を希望する人たちに定住先として選択してもらえるよう取り組んでまいります。

人「歴史と文化が息づく人とコミュニティを育むまちづくり」

その1次代を担う人材を育てる教育の推進

教育環境づくりについては、赤穂市教育振興基本計画に基づき、「夢と志を育む教育」の実現に向け、総合的・計画的に整備してまいります。
学校給食センターについては、昭和44年9月の開設以来51年が経過していることから、安全で安心な学校給食を安定的に提供するため新学校給食センター基本計画を策定し、整備事業を推進してまいります。
幼児教育については、家庭や地域との連携を深めるとともに、幼児の「生きる力」の基礎を育み、一人ひとりの発達や特性に応じたきめ細かな教育を充実させてまいります。
義務教育については、これからの時代を生き抜く児童生徒に必要な資質・能力を育むため、教職員の専門性と実践的指導力の更なる向上を図り、児童生徒に基礎的・基本的内容を確実に習得させるなど、確かな学力の定着に努めてまいります。
児童生徒の学びについては、主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を促進し、各学校での取組の充実を図ってまいります。特に、GIGAスクール構想によって整備された1人1台端末や通信ネットワークを活用したICT教育の推進を図り、オンライン授業をはじめこれからの時代に対応した新たな教育活動に努めてまいります。また、中学校の部活動については、可能な限り現状の指導体制を維持するよう努め、外部指導員を配置して活性化を図ってまいります。
特別支援教育については、通常学級においても、特別支援教育指導補助員を配置し、一人ひとりの障がいの特性に応じたきめ細かで適切な指導を受けることができる学習環境の充実を図ってまいります。また、医療的ケアを必要とする児童生徒が在籍する学校に看護師を配置し、適切な支援を行ってまいります。
地域に開かれた学校園づくりについては、市内全ての小・中学校に設置している学校運営協議会を中心として、特色ある学校づくり推進事業、トライやる・ウィーク推進事業、環境体験事業などを通して地域との絆を深め、地域とともにある赤穂市コミュニティ・スクールの充実と推進を図ってまいります。
青少年の育成については、青少年育成推進委員や学校サポートチーム及び関西福祉大学等の関係機関との連携を図りながら、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、心の教室相談員の配置による教育相談活動の充実に努めてまいります。

その2歴史や文化、スポーツを通じた市民が活躍できる地域コミュニティの構築

市民会館や地区公民館については、生涯にわたり学び楽しめるよう計画的に設備・備品等を設置し、環境整備に努めてまいります。また、生涯学習については、中央公民館や各地区公民館を拠点として、歴史講座など各種講座を開催し、引き続き多様化する市民ニーズに対応してまいります。
図書館については、絵本講座やブックスタート事業などの読書活動事業を実施するほか、電子書籍の充実やブック宅配サービスにより、引き続き読書環境の整備に努めてまいります。また、市制施行70周年、開館20周年を記念して、世界の子どもの絵本展を開催します。
スポーツ活動については、赤穂市スポーツ推進計画に基づいて、誰もが、いつでも、どこでも、いつまでもスポーツに親しむことができる活動の場と機会の充実を図るとともに、体育協会をはじめ関係スポーツ団体と連携し、市民総合体育祭や各種スポーツ大会の開催などを支援するほか、地域におけるスポーツ・レクリエーションの普及に努めてまいります。
また、スポーツの振興と交流人口の拡大を図るため、全国各地から選手等が参加する赤穂シティマラソン大会や忠臣蔵旗少年剣道大会などを引き続き支援するほか、赤穂義士杯青少年柔道大会、市長旗争奪少年野球大会や各種県民大会などの広域大会の開催を通じて、交流人口の拡大を図り、スポーツによる元気なまちづくりを推進するとともに、忠臣蔵のふるさと播州赤穂を全国に発信し、地域経済の活性化につなげてまいります。
互いが尊重しあえる社会の実現については、コロナ禍で生じた誹謗・中傷をなくし、家庭、学校、地域などあらゆる場や機会を通じた人権啓発活動を推進し、人権意識の高揚、普及啓発に努めてまいります。また、男女共同参画社会づくりについては、社会のあらゆる分野で男女が対等に参画できる機会を確保し、ともに責任を分かち合う社会づくりを目指し取り組んでまいります。
歴史文化遺産の保存・活用については、文化財保存整備事業として、引き続き赤穂城跡二之丸の城壁整備などを行うほか、東有年・沖田遺跡公園復元住居や文化財の説明標柱等の改修をしてまいります。また、図説赤穂市史の編集や市史史料集の発刊のほか、有年考古館における特別展等の開催など文化財の公開と活用を図るとともに、積極的な情報発信に努めてまいります。
歴史博物館においては、(仮称)「浅野家とその時代」特別展を開催するほか、美術工芸館においては、「郷土ゆかりの画家たち」特集展示、(仮称)「雲火焼誕生秘話」特別展を開催し、観光客の誘客にも努めてまいります。
文化会館については、多様な文化芸術活動の拠点施設として、市内外の多くの方々に利用いただく交流の場となるよう運営に努めてまいります。鑑賞事業としては、平田オリザ氏主宰「青年団」公演や劇団四季ファミリーミュージカルなどを開催するほか、市民参加型事業として、この1年間はコロナ禍により未開催となりましたが、吹奏楽・金管バンドの祭典やフェスタ・アルモニカ・イン・アコウ合唱の祭典の開催をはじめ弦楽教室や吹奏楽教室の継続実施など、文化芸術活動の振興と奨励を図ってまいります。
また、文化団体とも連携しながら、ふれあいの祭典「アンサンブル・フェスティバル兵庫2021」や市民文化祭、美術展などを開催するほか、様々な文化芸術活動に対する支援を行ってまいります。
ル・ポン国際音楽祭については、引き続き市民の皆様にクラシック音楽を気軽に楽しんでいただくとともに、赤穂の名を広く国内外に発信し、交流人口の拡大により地域の活性化や観光振興、移住定住につなげてまいります。
コミュニティ活動の活性化については、それぞれの地域の特色を活かした地区まちづくりビジョンを実現するため、各地区における自発的なまちづくり活動を支援してまいります。また、市民の夕べについては、まちづくり振興協会との連携により、市制施行70周年記念事業として開催します。

その3市民と協働する市政運営の推進

国・地方を通じ行政の様々な分野において、情報通信技術を効果的に活用したデジタルガバメントの実現に向けた動きが加速しています。デジタル化によるメリットを誰もが享受できるよう、健康保険証として活用が見込まれるマイナンバーカードの取得促進に引き続き努めるとともに、県と共同で高度な情報セキュリティ対策を行い、個人情報保護対策に万全を期してまいります。
行政情報については、広報あこうやホームページのほか、SNS、動画配信など様々な情報媒体の特性を活かした広報活動により提供し、市民の皆様との情報の共有化に努めるとともに、ミニ対話集会を引き続き実施するなど、市民と行政とが共に歩む、開かれた市政を推進してまいります。
また、複雑・多様化する市民ニーズを的確に把握し、地域の諸課題を解決していくためには、市民の皆様をはじめ、企業や各種団体、NPO、大学等との協働によるまちづくりが必要不可欠であります。
このため、市政全般において、パブリックコメントの実施や審議会委員等の公募など、市民参加の機会を引き続き設けてまいります。
関西福祉大学とは、引き続き、インターンシップ制度、赤穂学の講義や大学院への職員派遣研修等を通じ、時代の要請に的確に対応できる人材を養成するなど連携を深めてまいります。また、県立赤穂高等学校とは、包括連携協定に基づき、まちづくりの担い手として地域社会に貢献できる人材の育成や地域活性化に、ともに取り組んでまいります。
市制施行70周年記念事業については、歴史の節目として市民とともに祝い、将来にわたり市政発展につなげていく新たなスタートとして、記念式典の開催のほか、4月にはNHKの「民謡魂ふるさとの唄」の収録をはじめ、各種イベント事業、PR事業などを実施してまいります。
一方で、本市の財政環境は、依然として基金を取り崩さざるを得ない状況が続いております。コロナ禍の中で市民の皆様のニーズに的確に対応した質の高い行政サービスを提供していくため、引き続き行財政改革を強力に推進してまいります。
限られた人員の中ではありますが、全体の奉仕者として職員一人ひとりが高い倫理観と強い使命感・責任感のもと、常にコスト意識と経営感覚を持ち、時代の変革に的確に対応し、市民の目線で考えながら変革・創造ができる人材の育成と風通しの良い職場環境を整備してまいります。
一昨年の不祥事発覚以降、二度とこのような不祥事が起こることのないよう全庁をあげて再発防止への取組を進めていた中、再び、職員が逮捕された事態は、これまでの努力を水泡に帰すものであり極めて残念であり、断腸の思いであります。市政への信頼は地に堕ち、これ以上どうしようもないほど大きく失墜してしまいました。今後、市民の皆様の信頼を取り戻すには、血のにじむような大変な努力と長い期間を要します。この度の事態を深刻に受け止め、私をはじめ全職員が一丸となって、長い道のりとなりますが市政の信頼回復に全力で取り組んでまいります。


以上の考え方のもと編成しました令和3年度の歳入歳出予算は、

一般会計

222億6,000万円

(前年度比4.6%増)

特別会計

108億8,810万円

(前年度比3.1%減)

企業会計

203億6,506万9千円

(前年度比6.2%増)

合計

535億1,316万9千円

(前年度比3.6%増)

であります。

本年は赤穂市にとりまして市制施行70周年を迎える記念すべき節目の年となります。また、2030赤穂市総合計画がスタートし、今後10年間の基礎が築かれる最初の年でもあります。
ウイズコロナ、そしてポストコロナの新時代をしっかりと見据え、市民の皆様とともに、「はばたけ未来へ穂」が実感できる笑顔と希望にあふれた魅力あるまちづくりに全力を尽くしてまいる所存でありますので、どうか、格段のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

 

お問い合わせ

所属課室:市長公室秘書広報課秘書係

兵庫県赤穂市加里屋81番地

電話番号:0791-43-6870

ファックス番号:0791-43-6822